経理職は、会社の財務状況を把握し、ビジネスをサポートする重要なポジションです。安定した需要がある一方で、他の職種とは異なる特性もあります。今回は、未経験者向けに経理職のメリット・デメリットを詳しく解説します。このページでは経理職のメリットに関して記述いたします。
経理職のデメリットに関しては下記の記事をご覧ください。
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メリット1:安定した職業
どの企業にも必要な職種
経理業務は、会社の規模や業界を問わず必ず存在する仕事です。企業の資金管理、取引の記録、税務申告など、経理の役割はビジネスを運営する上で不可欠です。経理職は業績の良し悪しに関わらず、毎日の取引や会計業務を行う必要があるため、常に需要があります。
景気の影響を受けにくい
経理職は、景気の変動によって需要が大きく変わる職種ではありません。経済が悪化して企業がコスト削減に取り組んだとしても、経理業務そのものがなくなるわけではなく、むしろ正確な財務管理が必要とされる場面も多いです。そのため、他の部門がリストラされることがあっても、経理部門は比較的安定しています。
専門性の高さによる需要の継続
経理業務は専門的な知識を必要とするため、経験やスキルがある経理スタッフは転職市場で非常に価値が高いです。簿記や会計基準に関する深い理解、税務に関する知識など、これらのスキルを持っている経理スタッフは、業界や職種に関わらず求められます。
資格とスキルの強さ
経理職では、日々の業務で習得したスキルや経験が将来的なキャリアに直結します。たとえば、簿記や税理士資格を取得することで、さらにキャリアアップが可能になります。資格があれば、たとえ今の企業でのポジションが不安定になったとしても、転職が有利に進むため、長期的に安定した職業といえます。
法律による保護
経理は、税法や会計基準など法律に基づいて行われるため、これらの法律が大きく変わらない限り、経理職の重要性も変わりません。また、法改正があった場合でも、経理担当者は新しいルールに対応するために必要不可欠となり、さらに需要が増すこともあります。
経理職は「どの企業でも必要とされる職種」「景気に左右されにくい」「専門性が高い」という点で、非常に安定している職種だといえます!
メリット2:専門性が高い
経理の知識やスキルは、企業の規模や業界に関わらず求められます。会計基準や税法の知識を習得すれば、転職の際にもアピールポイントになります。
幅広い知識とスキルが求められる
経理業務では、財務管理、税務、会計基準の理解など、多岐にわたる専門的な知識が求められます。特に以下の分野における知識が重要です。
財務会計
企業の財務状況を報告書として作成するためのスキル。決算書、貸借対照表、損益計算書などを作成し、会社の経営状態を正確に把握します。
税務
税法に基づいて、法人税や消費税の申告・納付を行うための知識。最新の税法に精通していなければならず、これを誤ると企業に大きな影響を与えることがあります。
管理会計
企業内部での経営判断に役立つ情報を提供するためのスキル。原価管理や予算管理など、企業の経営戦略に深く関わる役割を担います。
これらの領域はそれぞれが専門的で、単なる数字の処理ではなく、深い理解が必要です。
資格取得によるキャリアアップ
経理職では、業務を通じて専門性を深めることができますが、それに加えて資格の取得によって市場価値がさらに向上します。たとえば、以下の資格は経理職でのキャリアを強力にサポートします。
簿記資格
日商簿記検定1・2級は、経理職において基本的かつ重要な資格です。企業の会計処理を正確に行うために必要な知識を体系的に学べます。
建設業経理士
建設業経理士1・2級は、主に建設業の経理に特化した資格です。建設業は独自の会計処理を行っているためこの資格を取得していると、建設業の経理職への転職の可能性が格段に大きくなります。
建設業経理士の詳細については、下記の記事を参考にしてください
税理士・公認会計士
さらに高度な知識を証明するこれらの資格を取得すれば、企業内の経理部門だけでなく、独立して業務を行うことも可能です。
USCPA(米国公認会計士)
グローバルな視点での経理業務ができる人材として、国際企業での活躍も期待できます。
法律や規制への対応能力
経理職では、税法や会計基準など、法律に基づく業務が求められます。これらの法律は定期的に改正されるため、経理担当者は常に最新の法改正に対応する必要があります。このような法改正や規制の変化に適応できる能力は、高い専門性を必要とし、経理担当者が市場価値を維持するための大きな要素です。
税法の改正対応
税制が変更された際には、速やかに新しいルールに従って業務を進める必要があります。
国際会計基準(IFRS)
グローバル企業で働く経理担当者は、国際的な会計基準にも対応しなければなりません。
企業戦略に深く関与する役割
経理は単なる事務作業にとどまらず、企業の経営判断に深く関わる役割を果たします。経理職の専門的なスキルを使って、経営陣に対して財務状況や予算管理に関する重要なデータを提供し、戦略的な意思決定に貢献します。具体的には次のようなケースです。
予算編成
企業の来期の予算を立案し、経営計画をサポートします。
コスト管理
原価計算や利益率の分析を行い、経営効率を向上させる提案を行います。
こうした業務は、企業の成長に直接貢献できるため、非常にやりがいのあるポジションです。
メリット3:在宅ワークの可能性
経理職における在宅ワークの可能性について、具体的に説明します。
デジタルツールの普及
経理業務は、ほとんどの作業がデジタル化されています。以下のツールを使うことで、オフィスにいなくても業務を進められる環境が整っています。
クラウド会計ソフト
クラウドベースの会計ソフト(例: 弥生、freee、マネーフォワード)を利用すれば、インターネットがあればどこからでもアクセスでき、記帳や決算処理、請求書の発行などが行えます。
リモートアクセスツール
企業の内部サーバーやファイルに安全にアクセスするためのリモートアクセスツールを使えば、オフィスにあるパソコンと同じように仕事を進めることができます。
コミュニケーションツール
SlackやZoomなどのコミュニケーションツールを使って、他の部署との連携や上司との確認をリアルタイムで行うことができ、オフィスと同じようにチームでの作業が可能です。
データに基づく仕事が中心
経理職の多くの作業は、データや書類の確認・入力・計算といったものが中心です。これらの作業は、書類のデジタル化やクラウドツールの活用により、物理的な場所を問わず進められます。
帳簿管理・記帳
紙ベースの帳簿管理からクラウド会計へ移行したことで、データ入力や確認作業はどこからでも可能になりました。
決算処理
毎月や四半期の決算作業は、ほとんどがデジタルデータを扱うため、オフィスに行かなくても在宅で対応できる場合が多いです。
書類の電子化が進行中
経理における紙の書類は、かつては大きな障壁でしたが、電子帳簿保存法の施行やペーパーレス化の進行により、多くの企業で電子化が進んでいます。これにより、紙の書類にアクセスするためにオフィスに行く必要がなくなり、在宅でも作業が可能になっています。
請求書や領収書の電子化
電子請求書や領収書の導入が進んでおり、物理的に紙を扱う必要がなくなり、これらを自宅で処理できるようになっています。
デジタル署名・承認プロセス
経理に必要な承認や捺印のプロセスも、デジタル署名や電子承認システムの導入により、リモートで処理できるケースが増えています。
在宅ワークが適している業務
経理業務には、特に在宅ワークに適している業務があります。
日常の仕訳入力
会計ソフトへの仕訳入力は完全にオンラインで完結するため、自宅でも問題なく作業が可能。
経費精算
経費精算システムを使えば、社員が提出した経費データをオンラインで確認し、承認や支払い処理を行うことができます。
フレキシブルな働き方が可能
在宅ワークの導入により、働き方に柔軟性が生まれ、特に経理職では以下のようなメリットが得られます。
通勤時間の削減
通勤にかかる時間やストレスがなくなり、業務に集中できる環境が整います。
時間管理の自由度
月次決算や年次決算など、特定の時期に集中的に業務が発生する場合も、在宅ワークなら自分のペースで作業を進めることができ、効率的に時間を管理できます。
ワークライフバランスの向上
在宅での経理業務は、家庭や個人的な事情に合わせた柔軟な働き方が可能になり、ワークライフバランスを整えやすくなります。
セキュリティ対策の強化
在宅での経理業務は、セキュリティリスクが懸念されることもありますが、近年ではクラウドベースの会計システムやリモートアクセスのセキュリティ強化が進んでおり、企業も対策を強化しています。
VPNの導入
VPN(仮想プライベートネットワーク)を使って安全に企業のネットワークにアクセスできるようになり、在宅でも安心して作業ができるようになっています。
データ暗号化
クラウドシステムではデータが暗号化されて保存されるため、外部からの不正アクセスを防止する仕組みが整っています。
経理職は業務のデジタル化とペーパーレス化の進行により、在宅ワークが可能な職種となりつつあります。柔軟な働き方を望む方にとっても、経理職の在宅ワークは魅力的な選択肢です。
まとめ
経理職には下記のようなメリットがあります。
- 安定した職業
- 専門性が高い
- 在宅ワークの可能性
いかがでしたでしょうか?経理職は非常に安定している仕事であります。また、資格取得や法令対応を通じて常にスキルや知識をアップグレードすることができ、転職市場においても常に価値を示すことができます。
また、経理職のデメリットについては下記の記事を参考にしてください。
未経験者が経理職を目指す際には、自身の性格や働き方の希望に合わせて、このメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。経理職に興味がある方は、まず基本的な簿記や会計の資格取得を目指しましょう。この記事が少しでも皆さんのキャリア選択に役立てば幸いです。
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